高校教師がブラックすぎる!と感じる方へ | 元教員が伝えたい原因や対処法について

このはくん

高校の先生ってあこがれの仕事だね!

ねこさん

でも大変そうよ。

このはくん

本当のところはどうなのか知りたいでしょ。
だから元教師の先生に聞いてみました。

昨今、高校教師のさまざまなニュースが飛び交う中で、「ブラックすぎる」や「激務」というワードも出てきています。

まず、高校教師はブラックすぎる、これについては私はひとくくりにはできないと感じています。

高等学校の教師は、将来有望な青年を育てるとてもやりがいのある仕事です。

教師は雑務が多く、仕事がきついと敬遠される傾向にはありますが、純粋に青年を教育することは楽しいことです。

私自身の紹介になりますが、運良く教員試験に合格し、英語教師として高校生を教えました。

自分の思い描いていたこととは違って、苦労したことや失敗もたくさんありましたが、この仕事を選んだことを後悔したことはありませんでした。

これから高校教師を目指そうとしている人もいるでしょう。

そういう若い方々のために、私の経験をもとに高校教師という仕事を紹介します。

目次

高校教師は本当にブラックすぎるのか?

まず結論ですが、高校教師がブラックすぎるとは一概に言えないと感じます。

仕事をするうえで、自分の好きなこと、そしてやりがいを持てること。

この2つは、楽しく継続するために、とても重要な要素になってきます。

「高校教師はブラックすぎる」と世間の印象で感じ、踏み止まることも大事ですが、自分の本当にやりたいこと、好きなこと。

その想いを置き去りにしてしまうのは、後々の後悔に繋がる可能性がとても高く、それはとても悲しいことです。

夢を諦めるより、まずはそこを目指して頑張ってみる。

他の業界を見た時、これに勝る夢はあるか、そこで叶えることはできるのか?

冷静に、自分と向き合う時間を作ってみましょう。

高校教師の仕事内容とは?

高校教師

高校教師の場合、仕事は要約すると次のようになります。

・担当教科を教える

これは当然のことですが、高校だと1日に2~4時間教えるのが平均的です。

私の場合は担当が英語だったので、1年生から3年生までどの学年も受け持つことになりました。

・生活指導

これも大事な仕事です。

生徒が生活面で楽しく安全な学校生活を送れるように、時には厳しい指導をすることにもなります。

遅刻や無断欠席をしないようにするという基本的なことから、いじめやけんか、時には喫煙や飲酒といった非行問題にもかかわることもあります。

・進路指導

高校は3年間の内に生徒に合った進学先や就職先を確保できるように指導することも必要です。

進学の場合には試験対策をする、就職の場合には適当な職場を紹介することもありますが、希望通りにいかない場合もあって、教師も心を痛めることがあります。

高校教師の一日

時間割表

平均的な高校教師の一日を紹介します。

8:15~30 職員の朝の打ち合わせ

8:30~45 ホームルーム

8:50~12:40 午前授業

12:40~13:30 昼休み

13:30~15:20 午後授業

15:20~15:30 ホームルーム

放課後 部活動指導

授業の準備、試験問題作成、採点、生徒の家庭との連絡など

また1週間に1回あるいは2週間に1回職員会議があり、生徒指導や成績についての問題を話し合います。

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やりがい、大変だったこと、給料面は?

高校教師は本当にブラックなのでしょうか?

実際に感じていた、やりがいや大変なこと、そして気になる給料面について振り返っていきます。

やりがい

高校教師がやりがいを感じるのは次のような場合です。

・将来優秀な人材を育てることにつながる

教師にとってはこれが最大のやりがいです。

一人の青年が将来役立つ人になるための基礎を教えることはとても大事なことです。

高校の勉強はどの教科も基礎的なことと言えますが、それをきっかけに、生徒が勉強を続ければ、将来着実な仕事をすることができるようになる可能性が高くなります。

私は英語が担当でしたが、3年間に教えられることは限られています。

単語なら3000~4000語がせいぜいで、文法にしてもごく限られた文例を教えるに過ぎません。

ですから、これだけでは実務には不十分です。

その後も地道に英語の勉強を続けるには、英語を好きになることが一番だと考えています。

好きになれば、単語を覚えることも苦にならないし、将来海外に行かなくてはならなくなったとしても頑張れるのです。

ですから、私は生徒が英語に興味を持って取り組み、英語好きになるような授業を目指しました。

ある生徒が、「私は、中学校までは英語はできないと決めつけていたけれど、高校に来たら英語が好きになりました。」と言ってくれたことがありました。

これは、「○○さんが、英検に合格した。」とか、「有名大学に合格した。」というニュースを聞くよりもずっと大きな喜びを感じました。

英語を使えるようになれば、将来海外でも活躍できる道が開かれるからです。

つまり将来有能な国際人を育てることにつながるのです。

教師と生徒

・生徒の成長を見ることができる

教師は人を相手にする仕事ですから、一人ひとりの個性に合わせて指導をしなければならないわけで、難しい面もあります。

ですが、自分の指導が多少なりとも役に立って生徒が成長するのを見られることには大きなやりがいを感じます。

普段目立たない生徒でも、教師が「最近よくやっているね。」と声をかけただけで、がぜんやる気を出したという例がありました。

ある生徒は、卒業判定の会議でボーダーラインにいました。

特に苦手だった数学では、先生が付きっきりで補修をした結果、何とか卒業をしました。

彼は卒業後、学校用務員として立派に仕事をしているということを聞き、先生方は落第させなくて本当に良かったと喜び合いました。

・好きなことを仕事にできる

これはむしろ教師自身の喜びとも言えますが、自分の好きなことを仕事にできることは嬉しいことです。

どの教科の先生も自分の担当の教科が好きで得意なはずです。

賃金の高い、尊いと言われる仕事でも自分の不得意なことや嫌いなことをやり続けるのは辛いことです。

でも好きならば多少難しいことでも頑張れるのです。

私は英語が非常に好きで、日々英語に接していられることにやりがいを感じました。

この文章を分かりやすく解説し、記憶させるにはどうしたらいいかといったことを考えるのもそれなりに楽しい作業になるわけです。

生徒が期待に応えて、テキストをスラスラ読めるようになったり、文法事項も覚えてくれたりすれば、私自身も大いに喜ぶことができるのです。

大変だったこと

試験

高校教師といえども大変なこともあります。

その一例は次のようなことです。

・授業の準備

なんと言っても教師の第一の仕事は教科を教えることです。

それには十分に授業の準備をする必要があることは言うまでもありません。

でもそれが結構大変なのです。

同じレベルの生徒が揃っている場合はいいのですが、あるクラスではトップレベルの生徒もいれば落第スレスレの生徒もいる。

こういう場合は悩みます。

ごく平均的な生徒に合わせた授業を考え、難易度の高いあるいは低い質問を用意して、どの生徒にも活躍の場を与えるようにしてなんとかしのぎました。

授業の準備はいつでも必要ですが、慣れて来ると去年と同じでいいかという怠け心が出てきます。

しかし、毎年そのクラスの生徒のレベルに合わせて新鮮な気持ちで取り組まなくてはと感じます。

・心の病の生徒の力になることの難しさ

最近よく耳にする不登校の問題は、心の病が原因であることが多いです。

心の病については、どの先生も心を痛めていますが、決め手になるような解決策はなくそれぞれのケースで改善できることを探すしかありません。

心の病は現代病とも言えますから、これからの課題でしょう。

・学力の低い生徒を落第させなくてはならない場合がある

中学校までは欠席が多くても、テストの成績が思わしくなくても落第ということはありません。

ところが高校になると授業時間の三分の一以上休んだり、試験である一定の点数を取れなかったりすると、進級することができません。

受け持っている生徒の成績がボーダーラインだったら生徒本人だけでなく、教師も悩みます。

補習をしたり、課題を出したりしてなんとか合格点にもっていきたいと思う訳です。

それでも上手くいかなくて落第になった例もありました。

落胆するのは生徒だけではありません。

私自身の教え方が悪かったのではないか、もっと早い時期に補習をするべきではなかったかと反省するのは辛いことでした。

落第になるとすっかりやる気を無くして、退学する生徒が多かったです。

しかし、少数ですが、「これではいけない。」と奮起して次の年も1年生の勉強をして良い成績をとった生徒もいました。

彼にとってはギリギリ進級するより、やり直ししたことで力がついたので良かったのだと納得しました。

・やる気のない生徒を奮起させるのは難しい

これは非常に難しい問題です。

どの教科もすでに中学校までに習ったことを基盤にして授業を組み立てます。

その基礎ができていない生徒の場合授業の内容についていけず、やる気をなくしてしまうことがあります。

もともと好きではない教科だとやる気を出しなさいと言っても無理な話です。

英語の場合は中学校3年分の勉強が基盤なので、この3年分を挽回できればある程度追いつくことは可能です。

夏休み中に、特に遅れをとっている生徒を集めて、中学校までの基礎的な単語と文法を教えたところ、かなり分かるように、あるいは聞く耳を持つようになったことがありました。

これは小規模校だからできたことですが、基礎が分かるようにすることはやる気を出させるのに効果的ではないかと感じています。

・部活動の指導が忙しい

部活動が盛んな学校では、指導する先生が早朝から、夕方遅くまで部活に掛かりきりという例があります。

日曜日も試合や発表会で出勤する場合もあり、担当教師は犠牲的精神で活動に携わっているのが現状です。

これでは自分の健康も損なわれ、授業の準備も十分にできない可能性もあります。

教員志望の学生さんが減りつつあるのもわかる気がします。

この点については教員同士が譲り合って、一人の人に大きな負担がかからないようにする必要があると思います。

活動の多い部活には指導者を複数つけるとか、外部から指導者を頼むなどの方法を考えるべきです。

私自身はバレーボール部の顧問だったことがありました。

強豪チームではなく「仲よく練習しましょう。」という感じだったのはむしろ良かったです。

私はときどき見学に行って励まし、試合に同行するぐらいだったので、むしろ生徒との交流の場として楽しくやっていました。

部活は全部がハードなわけではないので、できる限り教員の負担が減ることを願っています。

高校教師の仕事は、大変なところもありますが、生徒の指導は個々の先生に任されているので、工夫の余地があります。

自分の教えた生徒がやがて役に立つ青年にと成長することを期待することは夢があります。

夢のある教師という仕事を目指す人は、学生のうちから十分に実力をつけ、将来有能な先生になることを目指して頑張って欲しいところです。

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気になる給料面は?

まず始めに覚悟したいのが、教員に残業代という概念はありません。

民間企業でいうところのみなし残業がつくイメージです。

これだけ見ると、たしかに高校教師はブラックという印象を受けてしまいます。

ただ、誤解しないでいただきたいのが、家賃補助や通勤手当、その他の福利厚生面は充実している学校も多いことです。

これに部活動をしてもらえる手当、夏と冬にはボーナスも支給される場合も多く。

ボーナスに関しては20代前半でも手取りで40万円。夏冬で合計80万円。あくまで20代前半の教員のお話ですが。

「高校教師はブラック」それが真実かどうかを知るためにも、ぜひ他の企業とも比べてみてください。

「元教員は使えない」なんて言うな!

高校教師がブラックと言われる原因の一つに、耳を疑うような話もあります。

「元教員は使えない」という、悲しい言葉。

そして世間との常識の違いについて、悩まれる方も存在するのです。

教師は世間の常識を知らないと言われました。 私の母は小学校の教員でした。 私が大人になり、よく聞く言葉があります。 「教師の常識は世間の非常識」と言う言葉です。 何度も聞きましたし 言われました。 私はなぜなのか?をいろんな人に聞いた事があります。 学校の先生は一般の人と感覚が違うのだそうです。 職業病だと言われましたし、自分の考えが一番だと思っていると言われました。 思い切って友人に先生に対する本音も聞きました。 友人は「本音を言えば先生をしてる人って一般的な考えからずれているような言い方の時はあると感じるかな」と言われました。 母親が教師だったので悲しかった気持ちがあります。

Yahoo!知恵袋

職業まして一人ひとりに個性があって、それぞれに良さがあって。

常識」という言葉で、その人の良さなんて括れないのです。

元教員は使えない。そんな時に悲しい言葉、一部のイメージが「高校教師はブラック」その印象に、少なからず繋がってしまっているのかもしれません。

もし仕事を続けられなくなったら?

高校教師に限らず、仕事を続けていく中で、どうしても辞めざるを得ないときは必ずあります。

そんなとき、一体どんな選択肢があるでしょうか?

  • ゆっくり休んで心のケアをする
  • 退職代行に頼む
  • 転職活動をする

ゆっくり休んで心のケアをする

心も身体も病み、仕事を辞めなければならない。

とてもつらく、苦しいと思います。

まずはここまで頑張った自分をしっかりと褒めてあげて。優しさで、包み込んであげて。

ゆっくり休んで、心身とも回復するように努めましょう。

ここまで頑張ってきた。そんなあなたを責める人は誰もいません。

「大丈夫。」あなたには、味方でいてくれる人の方がはるかに多いのです。

退職代行に頼む

退職を伝えること。

どんな形であれ、心に負担がかかるものです。

そんなとき便利なのが、退職代行というサービス。

退職を伝えるところから、一通りの手続きを担ってくれるサービスです。

決して、一人で悩まずに。

どうしても、辞めることを伝えづらい。

そんなときはこの退職代行サービスを利用してみること、選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか?

転職活動を行う

転職活動には、少なからず時間も体力も必要です。

一方で、今のつらい状況「高校教師はブラックすぎる」と感じながら働き続けること。

これも相当な体力、なによりもが壊れてしまわないか。それが心配です。

転職活動を少しでも負担なく進めていくうえで、転職エージェントの存在はとても大きいです。

転職エージェントのメリットは?

登録するだけで、自動であなたに合う求人情報を送ってくれます。

また、履歴書の書き方や面接の練習など、サポートも充実しています。

転職エージェントのデメリットは?

人と人とのやりとりになるので、性格の面で合わないと感じるエージェントもいます。

その際は、担当を変えてくれるなど、安心できる制度もあります。

なぜ完全無料で使えるの?

転職エージェントは、求職者の内定をもって、企業より成果報酬を得ています。

まずは求職者を集うこと、内定を獲得するためにWin-Winの関係が整っているからです。

▼エージェントの報酬の仕組みはこちらの記事で解説しています

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「高校教師はブラックすぎる?」よくある質問と回答

高校教師はやはりブラックすぎる仕事なのでしょうか?

それぞれの環境によっても異なりますが、やりがいや志を持って取り組める場所は必ずあります。

噂や評判で夢を諦めてしまうより、まずはそこに向かって、精一杯努力してみること。そこに意味を感じます。

高校教師がブラックすぎると言われる理由は?

日々の授業の他に、部活動など1人ひとりが受け持つ仕事量が確かに多い印象です。

また、マスメディアによる悲しいニュースが目につき、それも大きな原因の1つと感じています。

まとめ

学校教育

諸説、いろいろと言われておりますが、私はやはり高校教師はやりがいのある仕事と感じています。

決して「ブラックすぎる」とは感じませんし、やりがいの方が多く、人を幸せにできる素敵な仕事だと感じています。

若い世代が学ぶ機会を得て、将来有望な青年になることを手助けできることは幸せなことです。

授業の準備や生活指導、部活動といった問題はありますが、それなりの解決策を見つけるように努力したいものです。

将来高校教師を目指す人たちが、希望をもって仕事をすることができるようになることを期待しています。

視野を広げる選択肢に

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・「このはのこのはブログ」運営者
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