市民課はきついって本当? | 【体験談】やめたいと思った理由

このはくん

今回は公務員のご経験のあるHさんにお話を伺いました!

ねこさん

10万円給付のときのお話は特にリアルで見応えありです

目次

市民課はきついって本当?仕事内容について

私は20年以上、某市役所に勤めていました。

経験した部署は環境関係部署、教育委員会、地域団体や企業・大学連携等関連部署で、職位は課長級でした。

この私が今回、公務員「市民課」の仕事内容についてお話しさせていただきます。

市民課の1日のスケジュール

まず、市民課の1日のスケジュールについてお話しましょう。

皆さんもご存じのとおり公務員は9時から仕事が始まります。

私は始業前ギリギリに出勤することが嫌いですので概ね8時30分には

出勤していました。

 

ポットにお湯を沸かしたりメールを事前に見たりという仕事の準備時間として有効活用していましたが、そういった人間は極めて少なく概ね8時50分あたりに出勤する人が多いようです。

9時になると私の部署は毎日朝礼を行っていましたが、これまたそういった部署は少なく

なんとなく仕事が始まるといった感じでメリハリがありません。

始業のチャイムが鳴ると同時にトイレに行く人もおり、仕事に対するやる気は皆無に等しいと言ってもよいでしょう。

その後は隣の人と談笑が始まり仕事はゆっくりと始まるのです。

市民課などの窓口業務は9時ちょうどから、あわただしく業務が始まっているように見えますが、窓口で対応しているのはほぼ、アルバイトの人達で正職員は奥でのんびり座っています。

とにかく公務員は市民と対応するのが苦手で窓口に来客があっても知らない振りをしたり、わざと席を立ったりして接客業務からできるだけ逃げようとしています。

これは電話でも同様で、電話にはなるべく出ないように必死に努力します。

ただし、建前は取り繕っていますのでやむを得ず窓口対応したり電話を受けてしまったりと言うことも起こってしまうので、その場合は運が悪かったと嘆いています。

そうこうしているうちに昼休みが近づいてきます。昼休み前にはトイレに行き万全の状態で昼休みに備えるのです。

だって昼休みはたった45分しかなく1分1秒を大切に使わなければならないのですから…。

午後の仕事が始まります。

公務員はタバコを吸う人が結構多くおしゃべりが大好きで、昼休みからなかなか戻ってきません。

タバコを吸いながらおしゃべりできる喫煙所を大切な情報交換場所だと捉え、とても満足して自席に戻ってくるのです。

もちろん喫煙は仕事ではありませんよね。

午後からの時間は長く感じます。公務員は他の部署に用事に行くふりをして、おしゃべりを続け、他部署のはしごをするときもあるほどです。

こうやって勤務時間の大半をおしゃべりで費やし終業時間を迎えるのが公務員の習わしなのです。

さあ、就業時間が終わりました。待ち遠しいアフターファイブです。

公務員は真面目と思われがちですが活発に飲み会が行われます。

飲み会は概ね18時30分から始まりますので20時ぐらいには結構出来上がってしまいます。

その後2次会3次会と続きますので飲み会にたっぷりお金も時間も使ってしまうのです。

翌日のなると昨夜の飲み会の感想戦が始まり、若い職員はおごってもらった先輩職員の机にお礼参りに行かなければなりません。

傍観者としては誰と誰が飲み会に参加したかすぐにわかるようになっていて自然と

派閥が見えてきます。

私はこの習慣が嫌で、私のところだけにはお礼参りに来ることを固く禁じていました。

市民課はきついって本当?やりがいとは

本来、市民課のやりがいはその地域の市民から「ありがとう」「助かりました」などのお言葉をかけていただくことに尽きるはずなのです。

一応私はそのことを声を大にして部下に指導していました。

ところが一般的にはこの「やりがい」をどう勘違いしているのか、「どうやって市民に対して何も対応しないでいられるか」と考えている職員が多いです。

具体的には市民から相談を持ち掛けられた場合に「こちらではそういったサービスをおこなっておりません」「それはこちらではなく○○課が担当ですのでそちらで聞いてください」などと対応するのです。

これがいわゆる「たらいまわし」という状況です。

ひどいケースでは様々な部署の窓口を回った挙句、最初の窓口に戻ってくると言ったケースも少なくありません。

つまり公務員は自分が対応しなければそれでよいと思っていて、いや、むしろ対応することが馬鹿げているとまで思ってしまっています。

市民が困っているだとか、市民のために力になろうか、などと考えている職員は残念ながら少なく、できるだけ市民と対応したくないと考えているのです。

こういった「やりがい」を感じない職員が増えるのにはもちろん原因があるのですが、その原因についてはもう少し後でお話しします。今はもう少し「やりがい」についてお話ししますね。

私をモデルにして「やりがい」について思い返してみます。

環境部門在籍中(塵芥収集関係)は、市民の方が「ゴミをきれいに取ってくれてありがとう」「ゴミの分別が分かりにくかったんだけど丁寧な説明でよくわかったわ」などと褒めていただいたとき、テンションは爆上がりになりました。

また教育委員会のときには学校関係者から「備品を購入してくれてありがとう」「保護者とのトラブルを解決してくれてありがとう」など、感謝の言葉を頂くと、これまたやる気マンマン男になっていました。

やはり感謝されると気持ちの良いものです。

最後に地域団体や企業・大学連携等関連部署在籍時ですが、もちろん地域の方から感謝の言葉を頂いたときや、企業・大学関係者との連携事業が成功したときに「やりがい」を感じたものです。

特に私は単純な人間ですからこういったことがあると、「今まで頑張ってきて良かった」などとすぐに感激してテンションが上がってしまうのです。

今話した私の事例はごく自然で一般企業の方でも同じではないのでしょうか?

では次に先ほどお話しした多数の公務員がどうして「やりがい」を感じないのかについてお話しします。

実は公務員の人事評価は減点方式なのです。

つまり失敗するとマイナス査定されるだけで、事業に大成功してもプラス査定はされないのです。

言いかえれば失敗さえしなければ成功と言えるのです。

これが今まで話してきた公務員の悪行の元凶となっているのです。

だっていくら成功しても評価されないのに、もし失敗したら一発アウトなのですから、誰も新しい事に挑戦などしないし、極力市民との接触も控えますよね。

だって市民とトラブルを起こせばマイナス査定になる可能性が高いのですからね。

ですから公務員は失敗しないようにだけ努力しなければならないのです。成功なんて糞の役にも立たないのですから…。

このあたりの事から公務員は「休まず、遅れず、仕事せず」という言葉で表現されたのだと思います。

とても残念な状況ですが、これは人事評価のやり方を抜本的に見直さないと私は解決しないように思っています。

私にだけ目を合わせてくれない上司がいたときは?

「市民課はきつい」と言われる原因、大変だったこと

次は市民課として大変だったことについてお話ししましょう。

数年前に国民全員に10万円が給付されたことは記憶に新しいと思いますが、私はその事業のクレーム対応を担当していました。いえ、やらされていました。

この頃は新型コロナ感染症の拡大が懸念され様々な事業が中止せざるを得なかったのです。

私の部署もそのような事態に陥っていましたが、そこに目をつけた市長が名指しで私の部署にこの10万円給付事業を担当させたのです。ひどいと思いませんか?

しかし愚痴をこぼしていても始まらないので、この事業に取り組まなければならないのですが、福祉部門の部署ならともかく、畑違いの私の部署はこういった事業が苦手だったので、他市より給付開始が遅れてしまったのです。

全世帯に給付申請書を送付しなければなりませんので印刷会社を探すのですが他市に先を越されて引き受けてくれる印刷会社がなかったのです。

このときは各市ごとに給付開始日や給付率が報道されていて誰でも簡単に他市との比較ができてしまう状況でした。遅れをとった私の市は格好のクレーム対象となったわけです。

この時のクレームは他の事業の比ではなく相当な数と内容でした。

しばらく待ってくれれば必ず給付されると伝えているのですが、一刻も早くその10万円を手にしたいという気持ちで、私たちを罵り、怒りをぶつけてきます。

具体的には「今から自殺するがあんたの名前を壁に書いておくからな」「今からそっちに行ってお前を刺すから待っとけ」など、相当ひどかったです。

ちなみに私の名前を壁に書かれたことも、今から行くと言って市役所まで来られた方も、一人もおられませんでした。

しかしこのときの経験は私の大きな財産となりました。クレーム対応が随分と上手になり、おかげで厄介ごとがあると呼び出されるほどになりました。

その後には新型コロナ感染症ワクチン接種事業でも多くのクレームを受けました。ワクチン接種が始まった当初は予約の電話が殺到し回線がパンクしてしまったのです。

予約の取れない市民からは、もちろんたくさんのお叱りをいただきました。

 

その他のクレームとしては、私たちが公務員だということで「誰のおかげでご飯を食べているんだ、私の税金で食べているんだろ」などと暴言を吐かれる方も少なくありません。

自治会長等、ボランティア活動をされている方は「私たちはボランティアだ、お前たちは仕事だろ、金をもらっているんだろ」などと公務員という立場を目の敵にされている方も多いです。

慣れてきたとはいえ、やはりクレーム対応の仕事はとても大変で心身ともに疲れますし、ストレスも溜ってしまいます。

市民課の向いてる人・不向きな人

それでは次に公務員に「向き・不向き」があるのかということについてお話ししましょう。

まあ、何にせよ「向き・不向き」というものは当然つきものです。私ははっきり不向きでした。

その理由としては、私は「成功報酬」を望んでしまうからです。

言い換えると出世欲が強いのです。

人間関係が上手くいくコツは?

事業に成功すると給料が上がったり、出世するんじゃないかと期待してしまうのですが、そういったことはほとんどなく、やはり派閥や人脈が大きく影響するのです。

他人が失敗した事業を私が尻拭いしたにも関わらず、失敗した人間が出世したことは何回もあり、やる気マンマンな人は向いていないかもしれませんね。

どちらかというと私のような攻撃的な思考ではなく専守防衛的な人が公務員に向いているのかもしれません。

とにかく事なかれ主義でトラブルが起きると無駄に時間を費やすような人が向いているように思います。

こういう人は他人とも対立したりしないので、目立ったトラブルは起きませんよね。

私のような攻撃型の人間は積極的に行動もしますが、他人と対立することも少なくありません。

公務員としては事業の成功よりトラブルを起こさないことが重要視されますので

私のような人物は便利なときにだけ使われ、最後には捨てられるのです。

企業でも同じだと思いますがやはり人間関係が上手な人が向いていますね。

といってもペラペラ誰とでも話すということではなく、誰ともトラブルを起こさないという意味です。

とにもかくにもトラブルは厳禁ですよ。事業の成功はあくまで二の次ですので…。

市民課は本当にきついのか?まとめ

では最後に今までの話をまとめておきますね。

まず、市民課の1日のスケジュールについては、始業時間ギリギリに出勤し、おしゃべりが多く残業は好みません。

アフターファイブは積極的で時間に余裕があるのでお金も結構使います。

休日も多いので趣味にもお金を使いますね。

次に、市民課の「やりがい」については、一般的に事業の成功や、他人から感謝されたりしたときに感じる人は少なく、失敗しないことについて「やりがい」を感じる人が多いということです。

かなり残念に思いますがこれが現実なのです。

続いて大変だったことについては、やはりクレーム対応ですね。

市民課というだけで攻撃されることも多々あるので、結構大変です。

最後に「向き・不向き」については、事なかれ主義でとにかく他人と対立しない、トラブルを起こさないようにしている人が向いています。

一方、出世意欲が高すぎたり、他人と対立してしまう人は不向きと言えるでしょう。

ここまで好きなことを話させていただきましたが、私の個人的な考えなのでこの話を鵜呑みにしないようにしてくださいね。

あくまで一個人の意見ということでご理解ください。

ただ、的外れなことはあまりないと自負していることも確かなので最後まで読んでいただいた方の参考になれば幸いです。

もし公務員「市民課」を目指している方がおられるのなら、トラブルだけは起こさないようにお気を付けくださいね。ありがとうございました。

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このは
・「このはのこのはブログ」運営者
・2年目副業ブロガー(東京在住1児のパパ)
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