デイサービスって実際どんなお仕事?
この記事はこんな人におすすめ
- 介護職をしようか迷ってる方
- 介護業界の「いま」がわかる
- 介護職の経験を生かせる仕事も知りたい
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「介護職」の役割
昨今の日本には、お年寄りがたくさんいらっしゃいますね。
ある調べでは日本の人口における高齢者の割合は、
3割ほどになるという結果もあるそうです。
つまり3人に1人はお年寄り、65歳以上になるのです。
もちろん、いまの65歳には若々しい方々もたくさんいらっしゃいます。
ですが、「高齢者」の定義上、
65歳以上を「お年寄り」「高齢者」と呼ばせていただいています。
そんな「超高齢社会」のさなかにいる日本。
お年寄りがたくさんいる今
そのお年寄りの生活を支える「介護・高齢者福祉」という分野において
たくさんの需要があります。
今回は、そんな高齢者福祉の近くで生活をしている「介護職員」のお仕事の話をしていきたいと思います。
こちらの記事では「介護職」への転職で使える情報をまとめています
介護職の種類について
一口に「介護」といっても、さまざまな形態のサービスがあります。
特別養護老人ホーム・介護老人保険施設
特養、老健なんて呼ばれたりします。
施設に入所して、その中で毎日を暮らします。
詳しい違いの説明は、後述させていただきますね。
訪問介護、訪問入浴、訪問リハビリなど
お家に訪問してサービスをお届けします。
外出支援
1人でお出かけをするのが困難な方をガイドするサービスです。
あくまで一例にはなりますが。
さまざまなサービスが必要に応じて提供されていきます。
デイサービスの仕事ってきついの?仕事内容について
その中で私は「通所介護」、通称「デイサービス」での勤務経験があります。
デイサービスは、朝お迎えにあがり夕方自宅にお送りするといった、お家で過ごす方の日中の生活のお手伝いをするのが目的の施設です。
「介護」と聞くと、大体はこのデイサービスもしくは「特養、老健」での生活を思い浮かべるのではないでしょうか。
この章では、そんなデイサービスの主なお仕事内容についてお話していきますね。
デイサービスの主な役割
前述した通り、デイサービスでは朝お家へお迎えにあがり、夕方にはお送りするといった、「日中での過ごす場所、またはリハビリ、交流の場」という役割が多いです。
主なお仕事内容は、
「利用者様(お客さん)の食事・入浴・排泄介助」
「レクリエーション」
「リハビリ」
「送迎」の4つに分けられます。
食事・排泄介助・入浴介助
人間が生きていくうえで必ず必要な行動の3つです。
「3大介護」などと呼ばれることもあります。
排泄は、簡単に言うとおトイレのことですね。
食事はお昼ごはんとおやつがあります。
ティータイムとして、コーヒーや紅茶をサービスでお出ししているところもありますね。
食事介助
みなさんも何となくイメージが付くのではないでしょうか?
ご自分で食事をとることが難しい方に対しての食事介助が中心で。
その他にも、通常の食器では難しいけど専用の食器ならご自分で召し上がれる方へ
食器の工夫なども食事介助に入ると私は思っています。
どんな食器があるのか興味がある方は、
「高齢者 自助具」などで検索してみてくださいね。
いろんな道具の中に、食器の画像もあるかと思います。
排泄介助
これも、大切な介助の1つです。
食べたら、出す。人間の自然なサイクルですね。
おむつ交換をイメージされる方が多いことと思いますが。
デイサービスに来られる方は比較的自立している方が多いので、おむつ交換の機会は比較的多くはないです。
これは施設の意向にもよるかもしれません。
特養・老健などでも可能な方はなるべく
おむつではなく尿取りパッドをうまく活用しよう!というところが多いですね。
「できることを活かして」。
自立支援、という考え方です。
自立支援とは、お年寄りのできることを取ってしまうのではなく
できることをご自分でやってもらい、自尊心・尊厳を守ろう!という考え方です。
ただ身体の介助だけをこなせばいいのではなく、
心のケアも大切なお仕事の1つなんですね。
おむつ以外だと、トイレには行けるけど
ご自分でのズボンの上げ下げが難しい方への「トイレ介助」や、
加齢や認知症でご自分の「トイレ行きたいな」に気づきにくい方に
「トイレ誘導」として「トイレに行きませんか?」と声をかける役割もあります。
入浴介助
意外と重要なのは入浴介助です。
高齢になり、お風呂にはいるのが難しくなる方は多いのです。
関節の痛みなどから身体がうまく洗えなくなってしまったり
湯舟をまたぐために脚が上がらず、滑って転んでしまう危険もあります。
また、認知症からお風呂の必要性が分からなくなってしまい
お風呂に入ることそのものをやめたり
忘れたりしてしまう方も少なくありません。
お風呂に入らないとどうなるのか?
お年寄りは汗をあまりかかないから、
そんなにお風呂に入らなくてもいいんじゃないの?
いいえ、そんなことはないのです。
目には見えにくくても、人は毎日汗をかいたり皮脂が浮き出てきます。
お年寄りも例外ではないのです。
もちろん若い人よりは量が少ないのですが
高齢者もお風呂には入らないと汚れてしまいます。
では、長くお風呂に入れないとどうなるのか?
臭い、汚れが気になるのはもちろんです。
そのほかにも、皮膚の汚れに細菌が増えてしまい、病気のもとにもなってしまいます。
そうすると、皮膚がただれてしまい、痛みが出る場合もあるのです。
入浴には、ただ汚れを落とす以外の役割もあります。
お風呂に入るとき、服を脱いで入りますよね?
その時、高齢者さんの皮膚の状態をチェックできます。
加齢により、人の肌はだんだんと脆く薄くなっていきます。
そうすると、ちょっとぶつけたり擦ったりするだけで大きな擦り傷やになったりしてしまうのです。
ケガをそのまま放置すると、それもまた感染症や傷の悪化につながり危ないです。
なので、服を着ていると見えない背中など、傷がないかな?
とさりげなくチェックをしたりしています。さりげなくね。
傷を見つけた場合には、一緒に働いている看護師さんにケアをお願いしていますよ。
他にも、湯舟に入ると体が温まり、むくみや冷えが取れてスッキリします。
高齢者の身体は冷えていることが多いので、
なるべく温まってもらえるよう配慮を心がけます。
また、湯舟に入っている間のコミュニケーションも大事な時間の1つです。
すべてに共通する「コミュニケーション」
「湯加減どうですか?」はもちろん大切ですが、
そのほかにもいろんなお話をしたりします。
高齢者さんの若いころの話、好きな食べ物の話、最近暑いね、寒いね、などなど…
他愛のないお話でも、湯舟の中だといつもよりも花が咲く気がします。
サッパリして、温まって、お話をして。
入浴介助を喜ばれる方は、意外と多いのです。
大変な仕事内容の1つですが、喜んでいただけると私も嬉しくなりますね。
他にも、適度な運動をして運動機能の維持向上を目指す「リハビリ」
日常のなかで交流やお楽しみを目的として「レクリエーション」をしたりします。
朝お家へお迎えにあがり、時間が終われば帰りはお家まで安全にお送りする「送迎」も
大切な業務の1つです。
安全に送り届け、ご家族の方に日中のご様子や必要な連絡事項をお伝えしたりします。
高齢者介護は、ご家族の協力なくしては成り立たないといっても過言ではありません。
ご本人とご家族の希望通りにお手伝いをしていくのが、私たちのお仕事なのですから。
主なお仕事内容は、こんな感じです。
他にも、介護をしていくうえで1人1人に目標を立てる会議や、季節を感じられるイベントの計画など
ここではご紹介しきれない細かいお仕事も様々あります。
デイサービスの仕事ってきついの?1日のスケジュール
ルーティン業務
それでは、そんな業務盛りだくさんの1日のスケジュールを、順を追ってご紹介していきますね。
まず朝出勤したら、お迎えをするための準備をしていきます。
必要物品の準備や、朝礼でその日利用する方の申し送りをしたりします。
この間ここにケガをしていましたので今日も確認お願いします、
今日は病院へ行かれてからご家族といらっしゃいます、
など職員全員で知っておくべきことを共有しておきます。
準備が終われば、順番にお迎えにあがります。
笑顔でお迎えをし、今日も1日楽しく過ごしていただけるようにお声かけをしていきます。
施設に到着をしたら、お茶をお出しします。
おもてなしの心もお忘れなく。
お客さんとして、目上の人として接します。
親しみの中に、礼儀も必要ですね。
お茶を飲んで落ち着いたころに、体温と血圧をチェックします。健康観察ですね。
1日を元気に過ごしてもらうために、毎日チェックをします。
また、あまりに体温や血圧が高いと、お風呂に入ったときに気分が悪くなってしまう可能性もあります。
なので、それを防ぐためにも入浴介助を始める前に必ずチェックを行っていきます。
みなさんがそろったら、朝の挨拶もしていきます。
みなさんの前で担当の職員が挨拶をし、今日の食事メニューやレクレーションの内容を発表したりします。
お食事とレクレーションは、みなさん楽しみにしています。
ご挨拶が終わると、順に入浴介助を始めていきます。
時間差で男湯女湯を交代し、みなさんそれぞれ順番に入浴を済ませていきます。
お風呂あがりには、水分補給も忘れずに。
お茶をお出しして、お風呂あがりのお茶を勧めます。
入浴と同時進行で、リハビリもしていきます。
施設によっては、リハビリ専門のスタッフがいたりもします。
利用者さん1人1人に合わせた個別メニューのお手伝い、身体を支えたり順番に呼んだりしていきます。
中には「リハビリの後に入浴したいわ」と希望される方もみえます。
入浴担当のスタッフとは、常に連携をして進めていきます。
ご希望の方がみなさん入浴を終える頃には、お昼ごはんの時間になります。
入浴担当のスタッフがお風呂の片付けをしている間に、フロア担当のスタッフが昼食の準備をしていきます。
(それぞれの場所担当のスタッフは、大体日替わりです。なので、スタッフは大方全部の業務を担当できるようになります。)
利用者さんの使うカトラリーを準備したり、食事のお茶を準備したりします。
口腔体操の大切さ
ここで大事なのは、「口腔体操」。
加齢により飲み込む力が弱り、食事中にむせてしまうことが増えます(と言います)。
誤嚥をしてしまうと肺炎になるリスクがあがり、最悪の場合命に関わってしまいます。
肺炎は、日本人の死因で第5位(10年前は3位でした。医学の進歩かな?)です。
誤嚥を予防することは、とても重要なのです。
口腔体操は、口の中や舌を動かして食事に使う筋肉の準備をします。
本やネットにお手本が載っているので、誰でも出来ますよ。
もしご自分や周りの人が、「むせやすいな、心配だな」と感じたら、ぜひ調べてみてくださいね。
食事介助とともに、お昼のお薬がある方には服薬介助もします。
持参されたお薬を渡し、飲み込むまで見守ります。
大体は看護師さんが行いますが、飲み忘れチェックは介護職もします。
食事が終わる頃には、みなさんの召し上がった量をチェックします。
最近、食事量が減ってきたかな?と気づいたら、ご家族や職員間で相談をしたりもします。
食べる量が減ってしまうと体調にも関わります。
日常からの観察が、体調変化にいち早く気づくためにもとても重要なことなんですね。
利用者さんによっては、食後に口腔ケア(歯磨きなど)をされる方もいらっしゃいます。
誤嚥性肺炎を防ぐためには、口腔ケアも大事です。
誤嚥した食べ物や唾液と一緒に口腔内の細菌が肺に入ってしまうことが、誤嚥性肺炎の主な原因です。
そのため、誤嚥を防ぐことと口腔内を清潔にすること、どちらも重要になってきます。
もちろん、虫歯を予防しておいしくご飯を食べるためでもありますよ。
この後は、少しの間食休みをします。
ベッドに横になる方や、席でのんびりとお喋りをされる方もみえます。
この間に、スタッフも交代で休憩を取ります。
利用者さんにケガなどないように、交代でフロア内を見守ります。
レクリエーションの時間
午後からは、レクを楽しみます。
職員は、レクの司会をしたり順番にご案内をしたりします。
みなさんで一緒に楽しめるゲームをすることが多いですが。
ときには書道や絵葉書をしたためたりもします。
レクも、同じゲームでも1人1人のできる難易度に調整したりと細かい配慮は忘れません。
レクが終われば、おやつタイムです。
おやつもお食事と同じように、利用者さんの楽しみの1つでもあります。
おやつでホッと一息したら、帰りの準備。
忘れ物のないように、利用者さんと荷物の確認をしていきます。
1日のうち、適宜トイレ誘導、介助をしていきます。
食事の前後や入浴前などに加え、その方それぞれ合った時間にお声かけをしていきます。
ご挨拶をしたら、利用者さんをお家へお送りいたします。
安全に送り届け、連絡事項があればご家族にお話します。
送迎の待機担当のスタッフは、この間に1日の後片付けやお掃除もします。
お掃除をして、キレイな施設を利用してもらえるように整えていきます。
送迎も済んだら、職員カンファレンス。申し送りですね。
今日1日の利用者さんの様子、ご家族からお聞きした話などを共有していきます。
介護はチームプレイ。
情報の共有は、1番大事なお仕事の1つでもあるんですね。
通常業務は、これでおしまい。退勤です。お疲れ様でした。
その他、定期的な会議やイベントの準備。
委員会(感染対応や虐待防止、身体拘束防止などを目的に委員会を設立しています)などがあると、その都度残業が少々あります。
デイサービス職に向いている人、あまり向かない人
このように、お年寄りの生活のお手伝いや日中の居場所づくり、リハビリなどの介護予防などをデイサービスでは担っています。
施設の形態によって役割は違ってきますが、大まかな役割は「生活のお手伝い」です。
なので、お世話好きな方はもちろん向いていると思います。
意外と向いているなぁ、と思うのは、「根気強い人」ですね。
お年寄りの中には、「介護拒否」をされる方もみえます。
理由は様々で、例えばトイレ介助なら、
「まだ行きたくない(認知症などでトイレに行きたいことに気づきにくい)」
「他人の前でトイレは恥ずかしい」などがありますね。
もちろん、「手伝われるのが申し訳ない」や
「(実際はお手伝いが必要だが)自分でできるからいらない」
という理由もあります。
しかし、トイレに行かなければ失敗をしてしまうリスクもあります。
入浴を拒否すれば前述のように感染症やケガの悪化
不潔な状態が続いてしまうなどの良くないことづくめです。
なので、そんな方にも気持ちよく支援を受けてもらえるように、工夫して声掛けをしていきます。
時には、時間をおいてリベンジするとうまくいく場合もあります。
そんなとき、短気でいるよりは気長にお付き合いができる人の方が向いているかもしれません。
逆にあまり向かない人は、やはり「短気な人」でしょうか。
介護は基本、人に接する仕事です。
そんな時、思うように利用者さんとコミュニケーションが取れなかったり。
時には介護拒否から引っ掻かれたり軽くつねられてしまう場合もあったりします。
ここで怒ってしまうと、怒りから虐待を起こしてしまう危険があります。
なので、ちょっとうまくいかないときもぐっと飲み込み、穏やかに接することが難しい人には苦痛を感じるお仕事かもしれませんね。
あとは、「慣れ」です。
日々利用者さんと関わっていけば、それ相応に信頼関係も出来上がっていきます。
「ありがとう、◯◯さんがいてくれると安心だよ。」
「◯◯さんは本当によく気づくね。助かるわぁ。」
などと声をかけてくださったときには、疲れや辛い業務の後でも報われたような気持ちになります。
利用者さんのお手伝いをしているつもりなのに、逆に利用者さんから元気を頂いているのだなぁ、といつも思います。
デイサービスの仕事ってきついの?まとめ
いかがでしたか?
ここまでのお話をまとめると、
- 一口に「介護」といっても、その支援方法は様々
- <通所介護>は、主に利用者さんの日中の生活をお手伝いする場所
- お世話好きさんや根気強い人が特に向いている
- 逆に、短気な人はあまり向かない
となります。
当てはまるでしょうか?
最後に、介護は3K(汚い、きつい、危険)などと言われ敬遠されがちなお仕事ですが、その分利用者さんからのお気持ちはとても嬉しいものばかりです。
そもそも私が介護福祉士の資格を取ろうと決意したのも、
昔同居をしていた大好きなおばあちゃんが病気で介護が必要になったからでした。
なので、「おばあちゃん、おじいちゃんのお話相手が好き‼」
「誰かの役に立ちたい‼」
とお思いの方にも、おすすめできる仕事かもしれませんね。
しかし、お年寄りと接している以上、いつかは「お別れ」がやってきます。
それは、ある日突然やってくるときもあります。
なので私は、日々の支援に後悔のないようにと心がけています。
さまざまなことをお話しましたが、私には介護がとっても向いている、と自分で思ったりもしています。
もしこのお話をみて、「何となく興味あるなぁ」と思ったら、
ぜひ介護の世界の扉を叩いてみてくださいね。
長い長いお話になりましたが、最後までお付き合いしてくださりありがとうございました。
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