療養保育のお仕事って素敵だね!
大変なこともあるって聞くけど…。
実際はどうなんだろう?
療育保育の仕事とは?
療育教室は、発達に遅れがみられる子どもが通う少人数の教室です。
教室は、保育園と同様に色々なメソッドを用いた運営をしているのが特徴的です。
ここでは、自治体が運営する教室について見ていきましょう。
自治体によりますが、ここでは特に教材を用いることなく、少人数の保育園のような活動です。
それぞれのさ特性に応じた福祉的、心理的、教育的及び医療的な援助となるため、子ども個々の様子に合わせたクラス運営を行っていきます。
療育保育の仕事1日の流れ
8:30 朝礼、本日のミーティング、準備
9:00 登園・受け入れ、片付け
9:30 朝の会
9:50 活動
11:00 おやつ、自由遊び、保護者への報告
11:30 終わりの会、降園
11:45 反省会、片付け、午後の準備
13:30 登園・受け入れ
14:00 朝の会
14:20 活動
15:30 おやつ、自由遊び、保護者への報告
15:45 終わりの会、降園
16:00 反省会、片付け、明日の準備、今日の個人記録、お帳面記入
17:15 退社
療育の1日の流れは、始まりの会、療育活動、おやつ、自由遊び、保護者への今日の報告、終わりの会の2時間半のプログラムとなります。
午前中に1クラス、午後に1クラス、各クラス週に一回です。
年齢は2歳児クラスから5歳児クラス、人数は多くても1クラス8名ほどの少人数で、保育士は基本子どもに1人に対し保育士1人で配置されます。高学年になれば保育士1人につき子ども2人〜3人担当の場合もあります。子どもの落ち着き具合によって、活動に入る保育士の人数を調整していきます。なるべく、子どもたち同士の関わりが持てるような環境作りをしていきます。
朝礼では、子どもの登園前に、保育士リーダーを中心とした今日のミーティングを行います。リーダーの活動指針をもとに、子どもの今日の活動の目的目標を子ども1人ずつ、担当から発表します。それを保育士全員でサポートできるように共有した上で、活動がスタートします。
登園時は、リーダー保育士が順次登園してくる子どもを玄関で1人ずつ丁寧に受け入れます。保育園と同様、視診を行い体調や様子を確認します。
登園時間は、保育園と同じく何時から何時と決まっています。各家庭の送迎時間によるので、順次登園してくる形になります。
子どもは登園すると、玄関でお帳面に今日の出席シールを貼ります。子どもが集中して取り組めるよう、リーダー保育士が1人ずつ丁寧に受け入れをします。教室への導入になるので、慎重に行います。
子どもは出席シールを貼って身支度を済ませたら、教室での自由遊びへ移動します。
教室での自由遊びは、リーダー以外の担当保育士が保育に入り、始まりの会が始まるまで子どもを受け入れます。
療育教室では、始まりの会までは保護者も教室にいますので、担当保育士は子どもを視診しながら保護者から直接話を聞いたり、お帳面に記入されたご家庭の様子を確認したりします。
同時に登園した子どもの保育(自由遊び)をしながら受け入れをします。
事故や怪我のないよう努めながら、安全にかつ楽しい遊びの提供をしていきます。
登園が終わる時間になると、クラスで始まりの会を行います。保護者は退室し、別室で保護者同士待機となります。待機の間、みなさんでお話されています。
始まりの会は、リーダー保育士が子どもや保育士の名前を呼んで出席確認をし、一日のスケジュール確認をします。
その後、場面を切り替えて活動に入ります。
活動内容は季節によりますが、共通して体を動かすような遊びになります。
多動の子ども、体幹の弱い子ども、集中力が短い子どもが多いので、体作りのプログラムを多く取り入れます。
主な活動
・晴れの日は公園遊び、散歩
・雨の日は室内でマットやうんてい、橋や網でサーキット
・梅雨はねんど遊びや絵の具遊び
・夏は子ども用家庭プールで水遊び
・秋はクッキング、公園遊び、遠足
・冬はクリスマス会、室内遊び
活動の後は、おやつを食べます。
終わった後は自分で片付けをし、自由遊びに移行します。
自由遊びの間に、担当保育士は保護者に今日の活動の様子を伝えます。
直接丁寧に伝えることで、互いに子どものことを考える時間となります。
自由遊びの後は、終わりの会です。
リーダーを中心に、子どもたちと今日一日を振り返ったり、お帳面を返したり、身支度をしたりと、帰る準備に取り掛かります。
その後、子どもは保護者と再会し降園となります。
降園の後は、片付けと反省会をします。
ここで、リーダーからの総括や、担当保育士から今日の担当の子どもの様子を伝えて、次回の活動内容を考えていきます。
その後、翌日の環境準備をしたり、今日の子どもの様子を個人ファイルに記録します。また、お帳面に保護者へのお返事やお手紙も記入します。
これが一日の流れです。
これらの活動を通してどのようなことを目的としているのか、具体的に見て行きます。
療育は、小集団の楽しい活動の中で、身体や手指を動かし成功体験を積み重ねることで自分に自信をつけ、お友だちを意識した遊びができるようになることが大きなねらいです。
作る楽しさ、できる喜び、自信をつけること、他者と一緒に食べる楽しさや喜び、待つこと、友だちへの関心などを学びます。
個人の目標となりますが、療育の子どもの目標の主には
体作り、力の使い方、人への興味、人との距離感、自分の気持ちの表現方法、気持ちの切り替え、親子関係などが目標となります。
療育教室では、なかなか他の子どもへの興味が出ない子どもが多い傾向がありますが、一年すると子ども同士が互いに関心を持つようになり、成長が見られるようになります。
これらの目的に対し、保育士は子どもたちが意欲的に活動に取り組めるよう支援していきます。
まず保育園との大きな違いは、とにかくわかりやすく情報を伝えることです。
言葉づかいや言葉掛け、絵での示し方、リーダー以外の保育士の協力により、成り立ちます。
療育教室では、子どもが一つの活動に集中できるような環境作りに努めます。
保育士が子どもの見本となるように一緒に活動するのが、療育活動をする上での大きな役割となります。
個々への援助については、こだわりが強い子どもが多いので、子どもの気持ちを代弁したり、子どもの思いを受け止め、意欲や自信につなげたりと、子どもの特性に合わせた保育をしていきます。
療育保育の仕事で大変なことは?
保育園での大変なことは、大切なお子さんをそのままご家庭に返すことですが、療育はこの点でとても神経を使います。
さらに療育ではそれに加えて保育士の対応次第で子どもの成長に大きく影響する、ということです。
保育園では子ども同士のトラブルは日常です。その中で、子ども同士が話し合いで解決できるようにしていくのが保育士の仕事になります。しかし、療育の場合は自分の思いを言葉で表現することが難しい子どもが多いので、話し合いの場を設けることが難しかったり、話し合いができるようになるまで時間がかかったりすることが多いです。
保育士は子どもに怪我や事故がないようにした上で、個々に応じたアプローチをしていきます。
保育士の子どもへのアプローチの仕方で子どもが変わるため、チャンスを逃したり対応方法を学んだり、と反省はつきません。
療育の子どもは、保育士からのアプローチの反応が希薄になりがちですが、伝わった手応えやそれによる成長が見られると、保育士にとってこれほど嬉しいことはありません。
これらの活動を1年間積み重ね、子どもたちは成長をみせてくれます。
普段の大きな保育園での生活と違い、小集団の中で自分を出し、先生と近い距離で関わり、友だちに興味を持っていくことができるのが、療育の魅力です。
活動の中で行事に向けてカリキュラムを組み、目標に向けて計画的に活動を行っていきます。
療育保育は、子どもへのアプローチに限らず、保護者からの相談や保護者との子どもの情報共有も大切になります。
それらにこたえられるためにもカンファレンスや勉強会を行い、療育の質を高めて行きます。
療育保育の仕事のやりがいは?
保育園でのやりがいは、子どもの笑顔、ただそれだけです。
楽しく遊んだり、みんなで1つのことに取り組んだりする中で、子どもの成長を間近で見れたりすることが、何よりのやりがいです。
療育でのやりがいは、同じく子どもの成長です。子どもは、週に一回だけの教室でも大きな成長をみせてくれます。個々に応じてひとつひとつ目標を設定していくので、その目標がクリアできる数も多いのです。その喜びは保育園以上に感じられます。
また、保護者の方からの感謝の言葉も喜びです。
保育士は子どもとどんなに楽しく過ごしても保護者には敵いません。
でも、その保護者の方に少しでもお力になれることが、またやりがいを感じる瞬間でもあります。
子どもにとって、家庭以外でのはじめての社会の場である保育の場は、生活の場であり、遊びの場であり、これらを通して学べる最高の場であります。
その環境を物質的にも人的にもよりよく提供していけるのが保育士であり、誇りのある仕事です。
療育の保育士は体力も気力も、どの仕事にも負けないくらい必要ですが、その分得られるものは大きく、何ものにも変えられません。人の命を預かり、子どもの成長のために保育士同士で学び合い、アプローチしていく高度で尊い仕事なのです。
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