看護師のお仕事、大変って聞きます。
やりがいもあって、両面を見ていきたいね。
保健士助産師看護師法の定義によると、看護師とは「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話または診療の補助を行うことを業とする者をいう」とあります。
要約していくと、患者さんの日常的なお世話(食事介助・入浴介助・排泄介助)を行ったり、医師の指示のもと採血や点滴の交換などの医療行為を行います。
また、他のスタッフ(医師、理学療法士、作業療法士、栄養士等)と連携をとり、退院や転院に向けてカンファレンス(話し合い)を定期的に行ったりします。そして、患者さんへ必要な指導を行うなどの業務もあります。
例えば、退院後自分で注射を打つことが必要であれば、注射の手技が獲得できるよう指導します。認知症や高齢のため、自分で注射を打つことが難しい場合は家族に指導を行います。
一日の業務の流れ(急性期病院の場合)
【日勤勤務】
勤務時間:8時~16時45分
平日だと4人~5人の患者さんを受け持ち、休日だと8人ほど患者さんを1人の看護師が受け持ちます。
8時前~ 患者さんの情報収集
8時~ 患者さんの申し送り(引継ぎのこと)を行う
8時半~ 患者さんの元へ挨拶や配薬を行う
9時~ 採血や点滴を行う
10時~ 入浴介助や清拭やオムツ交換を行う
11時~ 血糖測定や食前薬の配薬
12時~ 配膳・食事介助を行う
12時半~13時 下膳や薬の配薬を行う
14時~ 検温(血圧測定や体温測定)や処置、観察を行う
15時~ オムツ交換、環境整備、看護記録の入力や薬のセット、患者の申し送りをリーダーに行う
※休憩は11時~13時の間にみんなで交代しながら行います。1時間休憩をとって良いことになっていたと思いますが、忙しいときは15分から20分ほどしかとれません。
【準夜勤務】
勤務時間:16時~0時45分
15人~20人ほどの患者さんを1人の看護師が受け持ちます。
15時半~ 患者さんの情報収集
16時~ 患者さんの申し送り
16時45分~ 患者さんの元へ挨拶を行う
17時~ 血糖測定、食前薬の配薬を行う
18時~ 配膳・食事介助を行う
19時~ 配薬、検温、観察を行う
21時~ 眠前薬の配薬、オムツ交換・体位交換を行い消灯する
22時~ 看護記録の入力を行う
23時~ オムツ交換・体位交換を行う
24時~ 患者さんの申し送りを行う
※休憩は適時自分が良いときに交代でとります。準夜勤も1時間休憩をとって良いことになっていたと思いますが、忙しいので15分~20分ほどしか休憩はとりません。
【深夜勤務】
勤務時間:0時~8時45分
15人~20人ほどの患者さんを1人の看護師が受け持ちます。
0時~ 患者さんの申し送りを行う
0時45分~患者さんの状態を確認・観察
3時~ オムツ交換・体位交換を行う
5時~ オムツ交換・体位交換を行う
6時~ 検温、血糖測定、食前薬の配薬、採血を行う
8時前~ 配膳・食事介助を行う
8時~ 患者さんの申し送り、看護記録の入力を行う
通常業務
上記の内容に加え、点滴や採血の準備、退院の書類の整理・確認、医師からの指示の確認、看護サマリ―(転院先に送る手紙)の作成を行います。
※休憩は1時~5時の間に交代でとります。深夜勤務は1時間の休憩をとれることが多いです。この時間は仮眠や夜食などを食べたりして過ごしていました。
上記の内容に加え、適時点滴を交換します。また、予定入院や緊急入院の患者さんを対応したり、検査・手術の準備や迎え、患者さんの急変等があるのでほとんどこの時間の通りにはなりません。定時で終わることはほとんどありません。準夜勤務と深夜勤務は1か月で合わせて8回ほどあります。
夜間勤務は何もすることがないと思われますが、24時間点滴やモニター管理が必要な患者さんもいますし、痰が自力で排出できない患者さんは適時吸引を行っています。また、認知症の患者さんは昼夜逆転している方が多く、夜間に徘徊しようとしたり大声を出したり、暴力をふるおうとしてくる患者さんもいます。その場合は眠剤や精神安定剤を投与しますが、あまり効果がないことが多いです。また、そのような患者さんは自宅退院が難しく、転院先を探しますが中々病院がみつからず、急性期の治療が終了しても入院している人が多いです。
私の病院は3交代勤務だったため、上記のような勤務形態でした。2交代勤務だと、準夜勤務と深夜勤務が合体したような形態になります。3交代勤務のメリットは働く時間の拘束時間が短いことで、デメリットは休日が少ないことです。
大変なこと
1年目の時は何もかもわからない・出来ないことばかりで辛かったです。疾患や薬・点滴の種類も分かりませんし、採血や点滴等の看護技術も就職してから練習するので手技を覚えるのが大変でした。先輩看護師に練習させてもらうこともありました。入職してから半年ほどまでは帰宅してから毎日振り返りシートを記入し、先輩に確認してもらいました。また、先輩から看護の宿題を出題されるのでまとめて提出していました。今までで最も看護の勉強をした時期だと思います。そしてやっと日勤務に慣れたと思ったら夜間勤務が開始になり、今まで受け持ったことのない人数の患者さんを自分一人で対応するので頭がついていきませんでした。
2年目の時は重症度が高い患者さんを受け持ったり、毎日緊急入院の対応を任されたりして一番辛かったです。重症度が高ければ、実施する看護も多くなります。それに加え緊急入院をとると絶対に勤務時間内に終わりません。しかし、先輩からは時間内に終わらせるように時間配分しなさいと怒られていました。
3年目の時は辛いというよりは業務に慣れて少し余裕ができて、働かないスタッフに対して不満がありました。ナースコールが鳴っても全然対応せず看護記録ばかり行っているスタッフややるべき仕事をやっていないスタッフに対して不満が募りました。また、1年目の看護師の指導係に任命され、その看護師が自立できるようサポートします。
4年目からはリーダー業務や看護研究や委員会業務などが始まります。4年目からはクリニックで勤務しているので経験はしてません。
そして、何年目の時も共通して辛かったことは家に帰っても仕事のことを考えてしまうことでした。患者さんの命に関わることなので、あの患者さん大丈夫だったかな?とかやり残した業務がなかったかな?とか常に心配になっていました。また、夜間勤務も辛かったです。自分1人で15人~20人程度の患者さんを看ることや普通なら寝ている時間なのに、23時過ぎに病院へ向かい仕事をすることなど挙げたらキリがないです。また、癌などで痛みが強い患者さんや治療を行っても中々よくならない患者さんを看るのがつらかったです。
人間関係は割と良好な方だったと思いますが、お局さんはいました。お局さんと一緒の夜勤だったり、お局さんに患者さんの申し送りをするときは憂鬱でした。一緒に働くスタッフのメンバーがかなり重要になります。
やりがい
やりがいを感じるのは患者さんの病気や状態が良くなったときです。入院した当初は寝たきりだった患者さんが治療やリハビリにより歩行できるようになったり、白内障の手術を行い今まで見えなかったものが見えて喜んでいる患者さんを見ると、この仕事をやっていてよかったなと思います。また、患者さんからの笑顔や感謝の言葉を貰える時です。患者さんから「〇〇さんが担当の看護師で良かった。」や「○○さんをみると元気が出るわ。」等の言葉をかけてもらう時も自分の看護が認められてうれしいです。
それ以外に挙げると収入が良かった点です。残業や休日に多く出勤すると手当がつきますので、仕事を頑張って良かったと思えました。
- 看護師を続けている理由or辞めた理由
看護師を辞めた理由(急性期病院を辞めた理由)は辛かったからです。
お給料は良かったですが、重症度が高い患者さんが多く命に係わる仕事で毎日気を張りつめて仕事を行っていました。
自分のために生きているというよりは仕事をするために生きているといった感じでした。
しかし、両親から最低でも3年間は続けなさいと言われていたので、毎日辞めたいと思いながら勤務していました。
当時付き合っていた彼氏に丁度プロポーズされ、それを表向きの理由として急性期病院を退職しました。
現在私は、近所のクリニックで看護師として働いています。クリニックなので日勤務しかありませんし、重症度が高い患者さんもいません。
急性期病院とは違いワークライフバランスが取れています。看護師を続けている一番の理由は、看護師という仕事が好きで自分に向いていると思うからです。
もちろん大変なこともありますが、人とコミュニケーションをとりながら、その方に合った援助を提供する看護師という職業に誇りをもっています。
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