近年のカフェブームに伴い、「バリスタ」という職業に憧れる人も多いのではないでしょうか?特に、InstagramなどのSNSに投稿されるオシャレなカフェやラテアート、ハンドドリップコーヒーなど若い人たちにとって魅力的なものばかりです。
しかし、「バリスタ」という職業は、コーヒーを淹れることを専門にする人を指しますが、コーヒーを淹れるだけでなく店舗によっては、清掃や接客、調理、バッシングなど飲食店での通常業務なども行います。
今回はバリスタの側面の業務に関して触れながら、「バリスタ」という職業についてご紹介していきます。これから、バリスタを目指したいと思われている方はぜひ参考にしてみてください。
バリスタはどんな仕事?
バリスタとは、
カフェやバールなどのカウンターに立ち、お客様からの注文に応じてコーヒーを淹れる仕事です。
※バール:イタリアでメジャーな軽食を食べれるカフェのようなお店
そもそも、「バリスタ」とはイタリア語で「バールで接客する人」という意味を持ちます。イタリアでは、日本よりもカフェ文化が盛んであり、街の広場など至るところにバールがあり、そこで軽食や飲み物を楽しみます。
日本でのバリスタは、“バール“と“カフェ“で働く2種類のバリスタの働き方は大きく異なり、「バリスタ」という職業でも複数の仕事内容を指します。
カフェ・バールどちらに共通して言えることは「コーヒーに対する深い知識と技術を使って接客する」はどのバリスタにとっても必須の仕事となります。
カフェで勤務するバリスタ
バリスタに憧れる人が、思い描く定番の仕事といえば、カフェで勤務するバリスタです。スターバックスや、ドトールコーヒーなどのバリスタです。コーヒーを淹れる以外にも、お客様との会話や、お店の雰囲気づくりなど、居心地の良い空間を作ることを行います。
コーヒーを淹れることはもちろん、コーヒーに合わせたフードや軽食などの提供も行います。
バール店舗で勤務するバリスタ
バールで働くバリスタは、カフェとは違いカクテルやワインなどのアルコール類も提供するため、お酒に関する知識なども必要となります。
また、カフェよりも格式が高くバリスタの風格を重要視するお店が多いです。
バリスタのやりがい
ここまで、「バリスタ」の具体的な業務内容について紹介してきましたが、バリスタという職業にはどのようなやりがいがあるのでしょうか?
バリスタの全員が同じやりがいを感じているとはあ限りませんが、私自身業務を行なっていえ感じたやりがいについていくつかご紹介していきます。
自分の淹れたコーヒーを「美味しい」と言われたとき
基本的にバリスタの仕事はお客様との会話を通して好みを理解し、お客さん一人一人に合ったコーヒを提供することです。濃い、苦い、甘いだけでなく、その日の体調やお店の雰囲気、軽食の内容など、様々な状況を判断しバリスタは最高の一杯を提供する必要があります。
そのためには、日々のコーヒーのティスティングや、フードペアリングといったお客様目線での努力を積みさねる必要があります。それらの努力がお客様の喜びに変わったときはとてもやりがいを感じます。
常連さんとのコミュニティが広がる
バリスタとしての勤務歴が長くなると、お店によく来てくれる常連さんと親しくなります。常連さんの中には、お気に入りのバリスタが淹れるコーヒーを飲むためにバリスタの勤務時間に合わせて来店してくださったりと、お客様との繋がりを直接感じとる事ができます。
1日のスケジュール
バリスタの1日のスケジュールは勤務先によって異なります。基本的にシフト制を採用している事が多いです。以下では、代表的な一日の流れをご紹介します。
<1日のスケジュール>
8:30出勤
お店の開店時間に合わせて出勤します。
9:00開店準備
開店前には、その日に使用するコーヒー豆や食品などの
納品物を収納したり、店内の清掃を行います。
9:15エスプレッソマシンの調整
お客様を迎える準備ができると、エスプレッソマシンの調整を行います。
その日の、気温や湿度に応じて抽出度合いを微調整します。
9:30開店
開店早々に、来られるお客様は常連さんが多いので、
朝の挨拶や日常会話をしながらくつろげる空間を作ります
12:00ランチタイムのピーク
ランチ前は、とても店内が混み合うピークタイムになります。
ピークに備えて、ドリップコーヒーの抽出や、食事の用意などを行い備えます。
13:00休憩
ピークが終わると、バリスタは休憩に入ります。
全員が一度に休憩するのではなく、交代制で休憩を取ります。
14:00業務再開
お昼以降の時間帯は、学生・社会人が勉強やオフィスワークをして過ごす事が多い時間になります。
17:30夕方のピークタイム
帰宅途中や、電車・バスの待ち時間などに利用されるお客様が多くスピーディな対応が求められます。
18:00引き継ぎ
夜のシフト勤務者に、日中の業務状況を引き継ぎ1日の業務を終了します。
多くの店舗で、朝(8:00頃~16:00頃)と夜(16:00頃~23:00頃)の2交代制でシフトを組んでいることが多く、基本的な業務内容の違いは、
朝の人は「お店の開店作業」と「翌日の発注業務」
夜の人は、「お店の閉店作業」と「エスプレッソマシンなどの設備メンテナンス」を行います。
朝と夜のシフトは、雇っているアルバイトさんのシフト希望や、社員の休暇状況、時期などによって異なるため、どちらか一方だけという勤務をできるお店は少ないです。
大変だったこと
生活リズムが不規則になりがちなバリスタですが、勤務時間以外にも「大変だった」苦労を感じる点を
以下で、説明するのは私がバリスタを行っていた時に感じた内容で、全ての人が当てはまるわけではありませんが、一つの参考としてご紹介していきます。
体力勝負な一面がある
カフェやレストランをはじめとする飲食店業界は、かなりハードな職業だと言われています。勤務時間もシフト制であるため、生活リズムも不規則になりがちです。勤務は基本的に一日中立ちながらのため、足に疲労がたまります。店内の清掃やコーヒー豆の補充、エスプレッソマシンのメンテナンス、乳製品の補充など体力勝負な一面があります。
また、近年のカフェブームに伴い様々な競合店舗が存在すためお店独自のイベントやラテアート、コーヒーに関する勉強などを勤務時間外に求められるケースもあります。
想像していた仕事内容と違う
上記で説明してきたように、バリスタには「コーヒーを淹れる」という業務以外にもお店作りを行っていく上で必要な業務という側面があります。そのため、バリスタ=コーヒーを淹れる人というイメージだけだと仕事内容にギャップが生じてしまい、苦労したと感じてしまうでしょう。
バリスタになるためには?
苦労することが多いバリスタですが、非常に人気の職業であり、苦労する分やりがいを感じれる職業でもあります。特に、外資系チェーン「スターバックス」など大学生が一度はあこがれる職業でしょう
そんなバリスタになるには、どういったスキルが必要なのでしょうか?
コーヒーに関する知識はもちろん重要ですが、「バリスタが目指しているもの」を共感できるかが非常に重要になります。上記でも説明したように日々の努力の積み重ねが重要な職業であるため継続できるように目指す姿が一致しているか確認しましょう。
バリスタが目指す姿とは?
お客様に第三の居場所を提供できる雰囲気づくり
第三の居場所とは、
家、学校/職場以外の自分の居場所のことを指します。ストレスの多い現代社会人にとって、利害関係や交友関係なしに自分らしくリラックスできる居場所を必要としています。
近年のカフェは、おいしいコーヒーを提供するだけでなく、日常会話やお店の雰囲気なども含めて第三の居場所となれるように雰囲気を作る必要があります。そのために、バリスタは常にお客様の気持ちに立ち、言葉にしない潜在的なニーズに対しても深読みをしそれに答えれるように努力する必要があります。
初めて来店されたお客様が次にまたリピーターとなって来店するかは、バリスタの振る舞いで決まると言っても過言ではありません。
正しい知識を広める
バリスタは、コーヒーに関する深い知識を持っています。そのため、その知識を活用し様々なお客様に最高のコーヒーライフを送れるように、その知識を広めていく必要があります。
最近でこそ、コーヒーブームに伴い自宅でコーヒーを淹れたり、キャンプなどでドリップコーヒーを淹れるなどがメジャーになりつつありますが、正しいコーヒーの抽出方法を知る人は少ないです。どんなにおいしいコーヒー豆を使ったとしても、正しい淹れ方ができなくなってしまいコーヒーに対してネガティブな印象を与えてしまいます。
バリスタには、正しいコーヒーの知識を広めていく責任があり、それを常に提供できるように学習を続ける必要があります。中には、お店で自らコーヒーセミナーを開いたりなどを行うバリスタもいます。
バリスタには、必要な資格はあるの?
結論から言うと、バリスタになるために必須な資格はありません。しかし、大学や専門学校でバリスタについて学ぶ、カフェでのアルバイト経験を積むなどを行っているのがほとんどでです。
バリスタには、日々の業務からコーヒーについてを学び、それをお客様にアウトプットできる経験が必要です。バリスタになるために必要な資格はありませんが、自主的に学ぼうとする根気が必要です。
以下に、経験を積める方法についていくつかご紹介しておきます。
アルバイトなどで実務経験を積む
バリスタの経験は、コーヒーチェーン店などのアルバイトでも経験を積むことができます。各お店で味の違いや品質に差が出てしまうと、お店への評価につながります。そのため、アルバイトに対してもしっかりとした教育体制を用意しているお店が多く、バリスタとしての基礎を磨くことができます。
しかし、お店独自の基準や資格、ハウスルールなども数多く存在するためアルバイト経験だけに頼るのではなく休日には他のお店やカフェ巡りをするなど積極的に知識を吸収していくことが重要です。
専門学校・スクールで学ぶ
カフェでのアルバイトでは、店舗を運営していくマネジメントスキルを磨くことができません。将来的には、自分のお店を出したいなどを考えている場合は、専門学校などで、経営やマネジメントなどの店舗を運営するスキルも学ぶ必要があります。
ただ、バリスタを目指したいと思われている方はアルバイト経験だけでも十分なので、自分のなりたい姿と照らし合わせながら進むべき道を決めることをおすすめします。
~参考情報~バリスタに関する民間資格
先ほど説明したように「バリスタ」に、必須な資格はありません。しかし、複数の民間資格が存在し資格を持ちことで”コーヒーの知識”や”抽出技術”を第三者が認識しやすくなるためバリスタとして働いていく上で有利になります。
以下に、代表的な協会が主催する2つの資格を紹介します。
一般社団法人日本スペシャリティコーヒ協会(SCAJ)
「コーヒーマイスター」
コーヒーに対するより深い知識と基本技術の取得をベースとして、お客様へ豊かなコーヒー生活が提案できるプロのコーヒーマン(サービスマン)のことで、わが国では初めての認定資格となります。
日本スペシャリティ協会
コーヒーマイスターの資格では、
「カフェの歴史」「生豆」「産地」「産業・経済」「抽出技術と食器の知識」「コーヒー科学と健康」などの学び、協会主催の認定試験などを受けることで所得できます。
コーヒーを抽出や味に関する技術以外にも学べる点があるため、店舗運営を目指している方にはおすすめの資格です。
日本バリスタ協会
「JBAバリスタライセンス」
当協会は、日本においてバリスタという技術者(提供者)が、より高品質なコーヒーやその他の商品を市場に提供できるよう、高品質なコーヒーの抽出やその他の商品を提供するために必要とされる高度な知識や技術を習得したり、バリスタに求められる幅広い総合力を習得できるような環境を作り上げることを目指し活動する。
日本バリスタ協会
JBAバリスタライセンスは、
一流バリスタを目指すレベルとインストラクターを目指すレベルが用意されています。
インストラクターコースでは、育成方法などの知識も所得できるため自分の店舗を持った際にスタッフを育成していくなどに活かすことができる資格です。
まとめ
今回、バリスタという職業についてご紹介してきましたが、見た目は華やかに見える世界ですが、裏では相当の努力が必要となる職業です。
一流のバリスタを目指すためには、根気よく努力を続けることも必要ですが、バリスタが、目指している姿に「共感できるのか?」「それを目指したいと思えるか?」という事が重要です。
見た目の雰囲気だけに、惑わされる事なく、目指したい姿が一致しているのか重要視しましょう。
今後バリスタを目指したいと思われている方はぜひ参考にしてみて下さい。
▼一緒に読まれている記事はこちら↓